自分らしく輝いて生きる:㈱シャイネン うめのあゆみさん

 

人との繋がりによって優しさやモノが巡る社会づくりを目指し、暮らしの基盤を整えるための学びを発信しているハイパー主婦の〈うめのあゆみ〉さん。大人も子どもも笑顔で自分らしく生きるためのサポートをし続けています。

洗剤講師からハイパー主婦へ

 私は昔から好奇心旺盛で、あらゆることに興味が湧くんですよね。これはなんで注目されているんだろう?とか、どうなっているんだろう?とか、疑問に思ったら調べて現場を訪れて、自分なりの理論をまとめるのが好きなんです。学ぶことが好きなんですけど、妊娠や出産があると学ぶ機会って減ってしまいますよね。2人目が1歳になるまでは専業主婦だったから、自分で自由に使えるお金は少なかったし。「だったら自分が興味ある講座の先生を家に招いて、会場費をもらわない代わりに自分の講座代を無料にしてもらえばいい!」と思いつき、自宅で様々なお話会を主催していました。

 ある時、友人から「ナチュラルクリーニングって知ってる?」と聞かれたんです。その時にナチュラルクリーニングは化学薬品を含んだ洗剤ではなく、自然由来の原料を使った掃除ということを知ったんですが、そもそもなんで普段のお掃除をナチュラルクリーニングにする必要があるんだろう?と疑問に思いました。それで、お話会に洗剤について詳しい先生を呼ぼうと思ったんですが、先生が見つかりませんでした。仕方なく自分で調べていくと「これはもっと知りたい人がいるんじゃないか?」と思うようになり、洗剤講師として活動を始めたのが2016年です。

うめのさんは現在、Instagramを中心に暮らしのモノの選び方、考え方などを発信中。

 そうしたら、今度は「洗剤を変えたら洗濯の仕方がわからない」とか「化粧品についても教えてほしい」という声が上がってきたので、それらも自分なりの解釈で話をしていたらジャンルが多岐にわたり、もはや洗剤講師の枠で収まらなくなってしまって(笑)。それで、「モノ選びと暮らしのマニア・ハイパー主婦うめのあゆみです。」と言うようになりました。

おうち教育と暮らしの学校

 今、可能性を感じているのは〈おうち教育〉です。実は小学生の娘が登校拒否になって、無理やり行かせたいとも思わないから自宅での教育に取り組んでみました。

料理を通して算数の必要性を落とし込む、地球の仕組みから季節を学ぶなど、学校での勉強と生活を結びつける〈おうち教育〉。

 例えば、「今日は冬至だよ」と伝えるのではなく、地球儀を持ち出して地球のリズムから冬至を教えたり、掃除に使う洗剤やそのメカニズム・汚れの質などを教えていきました。料理であれば、うちは家族が多いのでネットで調べたレシピでは分量が足りません。そうなると、倍や2倍という計算が必要になるし、「ベーキングパウダーはなんで膨らむと思う?」と問いかけると自分で調べ始めます。その中で、学校の教科を学ぶ意味づけをしてあげます。

 それを繰り返していくと、覚えるだけだった学校の勉強に対する娘の見方が変わってくるんです。大人と子どもが一緒になって楽しみながら学ぶことで、暮らしから紐解く学びと学校での学びとのつながりが見つかっていきます。家の中で学びの基盤は作ることができるし、色々な視点を問いかけてあげることで子どもはどんどん成長します。

佐賀県にある古民家を利用し、〈暮らしの学校〉や野草散策
ワークショップ、癒しイベント、おしゃべり会など様々なイベントを開催。

 もう一つの学びの場として、古民家を買いました。そこでは似た価値観の人たちの集まりで情報交換や子育てをみんなでやっていこうという〈暮らしの学校〉も始めています。昔の住環境から学ぶことはとても多く、例えば土壁は水を含めて踏んで発酵させればまた壁として使えるし、竹や木は燃料になるんです。昔から実践されていた循環型の暮らしを大人も子どもも一緒に学んでいます。

大人を元氣に!

 人間を植物に例えると、根にあたるのが心と身体と魂です。心が不安定だと身体に不調が現れるし、体調不良の時は心も沈みますよね。魂というのは肉体が変わっても本質的に変わらない普遍的なもので、自分の魂を知ると今世の自分の役目がわかってきます。心・身体・魂が絡み合って思考に影響し、思考が行動を決めます。三つが病むと思考がネガティブになって、「どうせ…でも…」と行動と決断ができなくなり、自分にとって大切なことがわからなくなってきます。逆に、この三つが元氣であれば、前向きな思考と行動ができるようになります。

 元氣というのは、「元(もと)の氣」と書きますよね。元氣と聞くと、子どもが走り回っているようなはつらつとしたイメージがありますが、それは元々活発な氣を持っている人の元氣であって、元々思考が深い人であればじっくり考えている状態がその人にとっての元氣なんです。自分本来の状態に戻ることが元氣だと私は考えています。子どもたちと関わっていて思うのは、子どもよりも大人の方が自分本来の状態を知らないということです。子どもは環境さえ整えてあげれば自分の好きや得意を見つけられるし、周りを見て自分の立ち位置を見つけ出して動くこともできます。

 私たちが心・身体・魂という根を張っているのは社会という土壌です。大人は自分自身である根よりも土壌を優先してしまいがちで、純粋に自分が好きなことや心地良いことに向き合いにくい状態になっています。本来の純粋な自分が望む状態と今の状態に差を感じてしまうから、生きる上でひずみが生まれてしまいます。目の前に現象として現れる悩みは、その根本にある心・身体・魂に向き合わないと解決ができません。
 私はこれまでは「暮らしとモノ選び」にフォーカスして活動してきましたが、私以外の人も発信してくれる環境が整ってきました。だから、今は大人たちの支援に力を入れています。ママだけではなくパパたちも含めて「自分で働く」という軸を立てたい人を応援するために、その人本来の状態や能力を見極めてアドバイスをしています。 


 好きと思えることに時間を使えるのは自分を大切にできている人。大切にしたいことを大切にするための時間とお金ができれば幸せですよね。私の活動がひとつのきっかけになって「暮らしが根っこから変わった」とか「自分らしく生きられるようになりました」と言ってもらえることがとても嬉しいです。

 

株式会社シャイネン
代表取締役 うめのあゆみ さん
子育てをきっかけに2016年よりモノ選びや暮らし、社会問題などについて発信を開始。 3人目を妊娠中に株式会社シャイネンを設立。日々のSNS発信、オンライン+動画講座、コミ ュニティ作りや全国各地での講演会などを通して『生き方・暮らし方についての視点のシ ェア』を精力的に行っている。

㈱シャイネン公式サイト

ハイパー主婦★うめのあゆみInstagram

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2022年12月取材「暮らしの発酵通信」17号掲載

この記事を書いた人

里菌 かこ
「暮らしの発酵通信」ライター/発酵ライフアドバイザーPRO.

微生物関連会社に10年務め、農業・健康・環境などあらゆる分野での微生物の可能性について取材し、業界紙に掲載。発酵ライフアドバイザーPRO.の資格を取得し、発酵食品についても広く知識を深める。ライティングだけではなく、ワークショップ講師やイベント企画も務める文武両道の発酵ライター。

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