そもそもニオイの原因って?

暖かくなってくると気になるのが生ごみなどのニオイ。生活臭と呼ばれるニオイは、ほとんどの場合、菌が関係しています。湿気がたまりやすい靴箱にカビが発生したり、腐敗菌が生ごみを腐らせて悪臭を発生させたり、生乾きの衣類に雑菌が繁殖して不快なニオイを出したりします。 アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタンは4大悪臭物質と呼ばれ、生活の様々なシーンで、菌が複合的にこれらの物質を発生させています。

これらの生活臭を消すためには、様々な消臭方法があります。

物理的消臭法

ニオイの原因物質を吸着して取り込む方法です。 炭やゼオライトなどは、無数の微細な穴(細孔)が開いた構造を持っています。その細孔の中にニオイの原因物質が取り込まれることによって、ニオイがなくなります。細孔にニオイ物質を吸着させているため、細孔がニオイ物質でいっぱいになると、効果がなくなるため、定期的に交換したり、水洗いや天日干しをする必要があります。 捨ててしまうコーヒー粕にも無数の穴が空いているので、乾燥させて使えば、消臭剤に!

感覚的消臭法

悪臭とは別のよい香りを放つことで、嫌なニオイを感じないようにする方法です。 悪臭よりも強い香りを発生させるマスキング法、ニオイ物質をよい香りの一部として取り込んでさらによい香りに変えてしまう方法(ペアリング消臭)があります。どちらの方法も悪臭とは別の香りを発生させる方法なので、自分にとっては好ましい香りでも、周囲にとっては不快な香りになる場合があります。 ナチュラルな感覚的消臭法の中には、アロマスプレーやディフューザー、ポプリなどの香りがあります。

化学的消臭法

ニオイ物質を、化学反応によって、無臭の成分に変えてしまう方法です。 例えば、酸性の物質にはアルカリ性のもの(重曹など)を、アルカリ性の物質には酸性の成分のもの(クエン酸など)を反応させて中和します。ただ、酸性とアルカリ性の中和反応によってニオイをなくすため、ホルムアルデヒドなどのような中性のニオイには向きません。 三角コーナーなどの生ごみのニオイには、重曹を振りかけることでニオイが軽減します。

生物的消臭法

生活臭のほとんどは腐敗菌が発生させているので、それらの雑菌自体が繁殖しないようにする方法です。 除菌剤で菌自体を除去したり、抗菌加工で菌が繁殖しにくい環境にします。ただし、除菌剤を使用すると、よい菌も悪い菌も一網打尽にしてしまうことと、耐性菌の出現を助長してしまう可能性もあります。 ナチュラル洗剤の中では、酸素系漂白剤の除菌効果で消臭する方法があります。また、良い菌をたくさん振りまいて悪い菌が繁殖しにくい環境を整える方法もあります。

この記事を書いた人

里菌 かこ
「暮らしの発酵通信」ライター/発酵ライフアドバイザーPRO.

微生物関連会社に10年務め、農業・健康・環境などあらゆる分野での微生物の可能性について取材し、業界紙に掲載。発酵ライフアドバイザーPRO.の資格を取得し、発酵食品についても広く知識を深める。ライティングだけではなく、ワークショップ講師やイベント企画も務める文武両道の発酵ライター。

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