免疫力を高めるグリーンの力

緑を暮らしの中にとり入れて、健康力を高めましょう。森林浴の実験では、ストレスの解消やリラックス効果、免疫機能の向上などが報告されています。米国の研究では、緑に囲まれた環境で暮らす人は、そうでない人に比べ、ガン死亡率や糖尿病、高血圧や高脂血症などにかかるリスクが低かったそう。緑は、うつ病の原因となる、嫌な過去の記憶を繰り返す「反復思考」を抑え、悲しみの感情を和らげる効果もあります。お部屋のインテリアとしてもハーブを育てて食べて楽しんでも、緑のある暮らし、始めませんか。

 2泊3日の森林浴で免疫機能5割アップ

東京で働く男性サラリーマンを対象にした、森林浴の実験を紹介します。12名に3日間の森林浴をしてもらったところ、免疫機能中のガン細胞やウィルスを攻撃し破壊する「NK(ナチュラルキラー)細胞」の活性が、1日目で43%、2日目で56%の上昇を示し、なんと帰宅後1週間経っても45%高いままだったそう。都市で観光するだけではNK細胞活性の上昇は見られないことから、日常を都会で過ごす人々にとって、自然の中に身を置き、植物に囲まれることは健康維持に大いに影響することが分かります。

緑のある生活環境でガン死亡率13%低下

次に紹介する研究は、2000年から8年間にわたり全米10万人以上の看護師を対象に行なわれました。緑のある生活環境に暮らす人は、そうでない人に比べガン死亡率が13%、呼吸器疾患関連死亡率は34%低く、全体の死亡率も12%下がるという結果が出たそうです。 また別の研究では、2010年に米国マイアミ在住の65歳以上25万人を調査した結果、緑の多い環境に住む人は、そうでない人に比べ糖尿病リスクが14%、高血圧リスクが13%、高脂血症リスクが10%低いことが分かりました。

 自然に触れる体験がうつ病のリスクを軽減

身体だけでなく、心を健やかに保つためにも自然環境は大切です。悩みや嫌な思い出を繰り返し無意識のうちに考え続ける反復思考は、うつ病を招く原因のひとつ。38名の参加者を「自然環境」「都市環境」の2グループに分け歩いてもらったところ、自然の中を歩いたグループだけに、反復思考の減少が見られました。また、悲しみの感情を司る脳の部分の活性を抑え、心を安定させる効果もありました。都会に住む人こそ、暮らしに緑を取り入れ、植物を一緒に過ごす必要がありそうですね。

出典 森林総合研究所 平成20年版研究成果選集 Journal Environmental Health  Perspectives オンライン2016.4.14 American Journal of Preventive  Medicine オンライン2016.02.008 proceedings of the National Academy of  Sciences of the United States of America   略してProc Natl Acad Sci USA 2015.7.14

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暮らしの発酵事務局

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