家は私を守る第三の肌

 

私たちの体を外敵から守ってくれる肌。第一の肌は体内に病原菌や異物が入るのを防いでくれている「皮膚」。第二の肌は私たちの体を外からの刺激から守ってくれている「服」。そして、第三の肌は「家」。雨風や大気汚染などをシャットアウトして、私たちが安心して暮らせる空間を提供してくれています。

 

食べ物・飲み物15%、空気85%

 

「You are what you eat.(私たちは食べたものでできている)」という言葉があるくらい、食はとても大切。けれども、食べ物や飲み物以上に、私たちは「空気」を体の中に取り込んでいます。ある調査では、私たちが体に取り込む物の重さを100%とすると、食べ物・飲み物はたった15%で、残りの85%は空気だそうです。おうちの中で過ごすことが多ければ、85%のほとんどが家の中の空気だということです。

 

深呼吸できない「隠れ酸欠」

人は呼吸を通じて酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を出しています。酸素が体内の栄養素と結びついて燃焼し、活動エネルギーになるため、深い呼吸を何度か繰り返すだけで体が温かくなっていきます。

 

近年、呼吸がしづらい「隠れ酸欠」の人が増えていると言われています。隠れ酸欠とは、呼吸をしているつもりでも、全身に酸素がまわっておらず、体内が酸素不足になっている状態のこと。この状態が続くと、免疫力の低下や精神不安にもつながるそうです。 こまめに換気をして新鮮な空気を室内に取り入れ、深呼吸がしたくなる良い空気を作りましょう。

 

良い空気とは?

空気中には、1㎠あたり1000〜1万もの微生物がいると言われていますが、大人は1回の呼吸で約5000〜500万の微生物を吸い込んでいることになります。微生物の中には、私たちの健康を脅かすものもいますが、私たちの健康を守ってくれているものもたくさん!「空間除菌」などをしてしまうと、良い菌も悪い菌もいなくなってしまい、健康には逆効果。おうちの空気を「良い菌が集まる空気」にしておくことが大切です。  

 

良い空気をつくる、暮らしのhowto

善玉菌を振りまく

空気中にも菌はたくさんいて、それらの微生物は縄張り争いをしています。人間にとって良い働きをしてくれる善玉菌が20%、嫌な働きをする悪玉菌が10%、どっちつかずの日和見菌が70%の割合でいることが理想的なバランスと言われています。日和見菌は善玉・悪玉の優勢な方に加勢するため、善玉菌を積極的に振りまくことで、気持ちの良い発酵空間ができます。

 

EMWは化学物質を一切使用しない、乳酸菌や酵母などの善玉菌の集まり。トイレや腐った魚などの臭いは乳酸菌の酸の力で安全に消臭できます。

ハウスケア用発酵液EMW    

 

 

発酵食品を作る

手作りの発酵食品は「おうちの菌を育てる」ことにつながります。おうちの善玉菌が増えることで、味噌蔵のような心地の良い発酵空間ができていきます。 発酵のプロが作ったレシピ集はこちら>>

 

観葉植物を置く

エコ・プラントと呼ばれる植物は、有害物質の吸収や、カビ・バクテリアを抑制する働きがあると言われています。癒しと空気浄化にグリーンの力。 オススメなのは、「サンセベリア」(写真)。NASA の試験で最も空気浄化力が高いとされた植物。夜間も絶えず酸素を出し続け、安眠効果があるとも言われています。

 

珪藻土や漆喰を塗る・置く

珪藻土や漆喰は調湿・脱臭作用があり、帯電しないのでホコリが付きにくい(汚れにくい)効果があります。「呼吸する壁」が室内空気を整えます。また、珪藻土素材の様々な生活用品が出ているので、探してみては?

 

アロマオイルを使う

人間の五感の中で、最も早く心と体が反応するのが嗅覚。「天然の芳香植物の香り」は脳にダイレクトに届き、自律神経やホルモンバランスを整えます。リラックスしたい、シャキッとしたいなど、気分に合わせて香りを変えましょう。

 


「暮らしの発酵通信」特別号掲載

この記事を書いた人

里菌 かこ
「暮らしの発酵通信」ライター/発酵ライフアドバイザーPRO.

微生物関連会社に10年務め、農業・健康・環境などあらゆる分野での微生物の可能性について取材し、業界紙に掲載。発酵ライフアドバイザーPRO.の資格を取得し、発酵食品についても広く知識を深める。ライティングだけではなく、ワークショップ講師やイベント企画も務める文武両道の発酵ライター。

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