【開催レポ】しろたまりワークショップ開催

2020年11月7日、沖縄県にあるコスタビスタ沖縄ホテル&スパにて、しろたまり作りワークショップを開催いたしました。

今、コスタビスタでは、月に2~3回、暮らしの発酵ワークショップと題して様々な講習会を行っております。 味噌作り、キムチ作り、ぬか床作り、無添加お掃除講座など、毎回すぐに定員となるほどご好評いただいております! 今回も40名の皆さまが、沖縄県内のみならず、県外からもお集まりいただきました。 (コロナウイルス感染拡大防止のため、定員70名のお部屋を使用し、三密に最大限配慮し、開催いたしました。)

講師をしてくださったのは、白醤油発祥の愛知県で、創業以来白醤油を作り続けている「日東醸造株式会社」蜷川洋一社長。 残念ながら、今回はオンラインでの登壇となりましたが、事前に、実際に仕込みに使われてる材料(足助の天然水、愛知県産小麦の麹、伊豆大島産海塩「海の精」)をホテルまでお送りいただきました。

沖縄県で「白醤油」はあまりなじみがありませんが、究極の白醤油「しろたまり」への関心度は高く、ご参加の皆様の‘ワクワク‘が、開始前から伝わってくるようでした。 まずは、醤油の基本知識、愛知県の発酵、その文化的な背景や歴史、そこに携わる思いが語られました。 資料を片手にメモを取りながら、皆さま真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

そして、仕込み。 ガラス瓶に入った足助の天然水に、こだわりの塩をしっかり溶かしていきます。 一斉に2リットル瓶を、洗濯機の要領でぐるぐる。 少し時間を要しましたが、瓶の底から覗き込み、溶け残りをチェックしながら 楽しい仕込み作業は続きます。 そこに、小麦の麹をいれます。 なんと!仕込みはこれだけ! 通常、白醤油の主原料は、小麦と塩だそうで、一般的に私たちが使う、大豆を使った醤油とは色も味わいも旨味も違います。

そんな中、究極の白醤油を作ってみたいという先代会長の思いから、国産小麦で作った小麦麹を通常の2倍量使用して、大豆を一切使わずに作られたのが「しろたまり」。 「しろたまり」は大豆を使用していないため法律上、名称を「しょうゆ」とは表記できず、小麦醸造調味料と表記されてますが、大豆を使用しないことと、小麦麹を通常の2倍使用すること以外、製造方法は白醤油と全く同じだそうです。

仕込みの後は、持ち帰ったしろたまりをどのように発酵させていくのかが、丁寧にレクチャーされました。 そして自分で醤油を仕込むと出てくる「もろみ」をどのように活用するのか、それについてもレシピなどが紹介されました。

「もろみ」とは、しろたまりを引き分けした(絞った)後にのこる、小麦麹。 しろたまりをたっぷり含んでいるので、そのままでおいしいだけではなく、揚げればおつまみに、すりつぶせば味噌のようになる、聞いただけでおなかがすくような魅惑の調味料。 約4か月後の完成が楽しみですね!   オンラインでの質疑応答も盛り上がり、終始笑顔が溢れるワークショップとなりました。

コスタビスタでは、暮らしの発酵STOREにて、しろたまりを販売しています。 そんなこだわりの商品を、蔵元の方の話を聞きながら実際に作れるという貴重な機会。 発酵の楽しさ、素晴らしさにも、改めて触れていただけたのではないでしょうか? 発酵は、文化そのもの。暮らしを豊かにしてくれますね。

今後も、様々なワークショップを通して、皆さまとともに発酵していきたいと思います!

 

この記事を書いた人

里菌 かこ
「暮らしの発酵通信」ライター/発酵ライフアドバイザーPRO.

微生物関連会社に10年務め、農業・健康・環境などあらゆる分野での微生物の可能性について取材し、業界紙に掲載。発酵ライフアドバイザーPRO.の資格を取得し、発酵食品についても広く知識を深める。ライティングだけではなく、ワークショップ講師やイベント企画も務める文武両道の発酵ライター。

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