【開催レポ】みりんを知ってみりん風調味料を作りました!

「暮らしの発酵通信」ライターKAKOです。 私は発酵ライフアドバイザープロフェッショナルという資格を持っているんですが、2/14(木)に「本みりん風発酵調味料づくり講座」を開催しました!

 

みりんの想い出

小さい頃におばあちゃんから「みりん飲む?」って言われて、台所でゴクリ。甘くておいしー!! 1人暮らしをするようになって、ふとそれを思い出し、台所でゴクリ。うぇっ!しょっぱい!まずい! 当時私はみりんにどんな種類があって、なんで1000円代のものから200~300円のものがあるのか、その違いは全く知りませんでした。

 

そもそもみりんって?

(本)みりんとは、甘みのある黄色または褐色の液体調味料で、約14%のアルコール分を含んでいます。みりんには、大きく分けて「本みりん」「みりん風調味料」の2つがあります。

1.「本みりん」 法律上「酒類」に当たり、税金がかかるためみりん風調味料より高価。もち米、米麹、焼酎(米焼酎/粕取り焼酎)だけを使った「純米本みりん」と、もち米、米麹、アルコール、糖類を使った「本みりん」がある。 ・アルコール分14%、塩分0%

2.「みりん風調味料」 アルコール分が含まれない「みりん風調味料/新みりん」と塩が含まれている「発酵調味料/塩みりん」がある。「酒」として分類されない作り方や処置をしているため、税金がかからず安価。 ・みりん風調味料 アルコール分1%未満、塩分1%未満 ・塩みりん アルコール分14%、塩分約2%

 

本みりんは「お酒」。製造・販売は違法

本みりんは「酒」に当たるため、作ったり売ったりするには「酒税法」に引っかかります(どぶろくも一緒)。 しかし、本みりんを作る際に、塩を入れることによって、「飲むためのお酒」ではなく「調味料」となり、酒税法には引っかからなくなります(「不可飲処置」と言います)。=「塩みりん」のカテゴリーとなり、つくっても違法ではない。 ・・・と言うことで、講座ではEMてぃだの生塩を使用!(贅沢!)

「EMてぃだの生塩」

 

みりんは菌たちが働いてできたものではない?!

純米本みりんの材料は「もち米」「米麹」「米焼酎/粕取り焼酎」のみ!つまり、「米」しか使っていないから“純米”。なのにあんなに甘いのはまさに発酵のなせるワザ!

でも、この甘さは「菌や微生物が焼酎の中で元気に何かしてくれた結果」ではない。米麹が持つデンプン分解酵素(アミラーゼ)がもち米のデンプンを分解し、甘さ(ブドウ糖)が生まれたもの。

 上が米麹、下がもち米 酵素によって甘さが生まれることを「糖化」と言います。みりんの甘味は「糖化」によってできているのです!

そんな話をしたら、「じゃぁ、厳密に言ったら、みりんは発酵食品ではないってことですか?」と質問。 いえいえ、立派な発酵食品です。 そもそも、「発酵」や肉眼では見えない微生物や菌の働きに気づいたのがたった100年前。最初は、「発酵には微生物が関わっているよ」という定義だったものが、微生物が出す酵素が発見され、「酵素が働くことも発酵って言うようにしよう」と変わってきた。

今は「糖化」も「発酵」作用のひとつ。なので、みりんは立派な発酵食品! でも、これから色んなことがこれから発見されていくので、「発酵」の定義はどんどん変わっていくでしょうね。 暮らしの発酵では、食品だけではなく、「人と人とがつながり、人生が今よりもっと楽しくなる」ことも「発酵」と捉えています。

 

厳選素材で仕込み開始!

みりんの仕込みはあっという間!極端に言えば、混ぜるだけ。

【今回使用した材料】

・酒田女鶴もち米 (メーカーサイト

・「耕さない田んぼ」野口さんの自然栽培手作り白米麹(生麹)(メーカーサイト

・米焼酎(25度) ・EMてぃだの生塩(メーカーサイト

ぜーんぶ混ぜて、はい、終了。

 

色んなみりんを味比べ!

講座の中では、色んなみりんの味比べも。ひとえに「純米本みりん」と言っても、蔵によって全然味が違います。みりん風調味料や塩みりんもなめなめ。  

「あまーい!」「こっちの方が香りがいいね」 「わ、これ塩辛い」「甘ったるい感じがする」 「(みりん粕)お菓子だー!おいしー!」 と、みんなでワイワイ。 ・もち米は蒸さないといけない?

・そもそもなんでもち米を使うの? ・乾燥麹の場合はどうしたらいい?(今回は生麹を使用)

・愛知県碧南市には5件もみりん蔵があるけどナゼ? な~んてこともお伝えしました! 「みりんがもっと身近になりました」 「とっても楽しかったです!」 「 たくさんのことを学ばせて頂きとっても有意義でした ♡」

「KAKOさんの発酵愛が伝わってきました」←(笑) と皆さんに喜んでいただけたようでよかった。 「暮らしの発酵プロジェクト」では、発酵食品に限らず、生産者さんとの交流会なども来年は積極的に行っていきたいと思っています。

今ある暮らしがもっと楽しく!地球も笑顔になっちゃおう!

この記事を書いた人

里菌 かこ
「暮らしの発酵通信」ライター/発酵ライフアドバイザーPRO.

微生物関連会社に10年務め、農業・健康・環境などあらゆる分野での微生物の可能性について取材し、業界紙に掲載。発酵ライフアドバイザーPRO.の資格を取得し、発酵食品についても広く知識を深める。ライティングだけではなく、ワークショップ講師やイベント企画も務める文武両道の発酵ライター。

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