【開催レポ】長野県高山村、自然田んぼの中のホタル観賞ツアー初開催

2018年7月7日、お米農家さんと消費者の交流イベントとして、 長野県高山村で自然田んぼの中のホタル観賞ツアーが初開催されました。 お米生産者グループの名前は「ほたるの居る田んぼを創る会」。 その名の通り、毎年季節になると美しい棚田に多くのホタルが乱舞します。 今年は、ぜひその美しい光景を、 「この田んぼのお米を作っている農家さんと、そのお米を食べる消費者とで一緒に見よう」ということで、「ほたる観賞ツアー」が初開催されました。 参加者は東京都内や長野県内から集まった約15名。 ほたる観賞の前に夕食をみんなで囲みながら、お米農家の園原さんと歓談しました。

ほたるの居る田んぼを創る会の代表、園原久仁彦さんは、長野県でペンションの経営をしていた頃に食の大切さに気づかされ、テレビでちらっと見た岩澤信夫さんのコメ作りの農法に興味を持ち、すぐに連絡を取って、岩澤さんが開いている自然耕塾に通い始めました。 岩澤農法は、冬の田んぼに水を張り、田んぼを耕さず、ミミズの糞を肥料にして、農薬や化学肥料、畜産堆肥などを使わない、生物共生型のコメ作りです。

その後、自然豊かな長野県高山村で休耕田が手に入り、高山村に移り住んだ園原さん。60歳を前に、稲作農家に転身。自分の田んぼにホタルが棲んでいることを発見し、早速、集落の人たちを集めて「ほたるの居る田んぼを創る会」を立ち上げました。 それから15年間、田んぼの生き物と共生しながら、年々、生き物が増え、田んぼの土も豊かになり、お米もおいしくなっています。 ほたる観賞ツアーの夜は、あいにくの小雨模様。今夜は光る数が少ないね、と園原さん。それでも、田んぼの畦に生える草にとまった無数のホタルがチカチカ瞬いていました。

東京から参加された男性がその光景を見ながらポツリ。「ホタルを復活させたいと言って人為的にホタルを養殖して川に放してってやる場合もあるでしょ。でも、こうやって自然にホタルが繁殖して増えたのを見るのが僕は好きなんだ。」 人間の手を加えることをどこまで自然と呼ぶのか、人工的と呼ぶのか。考えると深い話です。 園原さんがやったことは、冬にも田んぼに水を張り、土の生態系を豊かにする応援団としてEM(有用微生物)を入れていること。EMは乳酸菌や酵母や光合成細菌といった、自然界にいる善玉菌。彼らが入ることで、その他の善玉菌たちも活性化されて、田んぼが発酵していきます。 すると、多様な小さい生き物たちがこの田んぼに集い、命をつなぎ、増えていく。 その一つであるホタルもこの田んぼで毎年、自然と増えてきたわけです。

  安全安心で美味しいお米を食べたい方って、健康にも興味がある方が多いですよね。 そこで翌日には、園原さんのお米を食べていらっしゃる医師の杉本一朗先生に、身近なインフルエンザや生活習慣病、食べるもの、抗酸化的な生活、医療の上手な利用について重要情報満載の予防医学のお話をしていただきました。

同じ価値観を持った人たちとの出会いと交流、自然を感じる体験、そして健康の知恵の学び。 心もおなかも満たされた2日間でした。  


  場所:長野県上高井郡高山村 主催:ほたるの居る田んぼを創る会 代表 園原久仁彦さん http://www.em-marche.jp/hotaru/  

Information
ほたるの居る田んぼを創る会 代表 園原久仁彦さん
住所
長野県上高井郡高山村中山2034
TEL
090-9665-0907
その他
ほたるの居る田んぼを創る会のお米を購入されたい場合は、園原さんに直接お問合せください。
商品情報は上記のウェブサイトでご覧いただけます。

この記事を書いた人

里菌 かこ
「暮らしの発酵通信」ライター/発酵ライフアドバイザーPRO.

微生物関連会社に10年務め、農業・健康・環境などあらゆる分野での微生物の可能性について取材し、業界紙に掲載。発酵ライフアドバイザーPRO.の資格を取得し、発酵食品についても広く知識を深める。ライティングだけではなく、ワークショップ講師やイベント企画も務める文武両道の発酵ライター。

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